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『Gecekondu』
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原発だとか核実験だとかPM2.5だとか、発想から生まれた人力の物なわけだけど、それが自らを傷つけるなんて明らかに非常に愚かだよなぁ。
同じく人力である音楽、これが世の中を幸せにするための唯一の手段なんじゃないのか?
シンプルな話なんだけどね。
頭が良くなれば良くなるほど「シンプル」がNGになっていく思考の進行具合がとても嫌いだ。
では淡々とレビュー。
名前もパンチ力有るし、CDもわりと流通してる感じなので、日本国内でもご存知の方も多いと思われるトルコのバンド、Baba Zula(ババ・ズーラ)。
パンチ力ある名前だけど、サイケデリックダブ・バンドなんて呼ばれておりますね。
上のジャケは2011年作『Gecekondu』。
※全曲試聴はこちらから
トルコのdoublemoonというレーベルから出ているそうで、このレーベルは要チェックみたいですね。
日本語解説付き(サラーム海上氏)盤はどうやらMusiccampさんから出ているようです。
※Baba ZulaのMYSPACEはこちら
※Baba ZulaのオフィシャルHPはこちら

1996年、トルコのイスタンブールで結成のバンドで、サイケデリックダブ・バンドと呼ばれながら世界を舞台に活躍するバンド。
2005年よりバンドのメインダンサーを務めるNourahさんは、そもそもグローバルに活動をしているダンサーだそうで、Baba Zulaでのダンサーとしてではなく、フジロックや東京ガールズコレクションなどにも参加したこともある方なんだそうです。
※NourahのHPはこちら
私はマッド・プロフェッサーがMIXの3作目『Ruhani Oyun Havalari - Psyche-Belly Dance Music』、同じくマッド・プロフェッサーがMIX、さらにスライ&ロビーも参加の4作目『Duble Oryantal』を聴きました。
この辺は、都内の中古CD屋でたまに出会います。
さて、本作『Gecekondu』の内容。
『Gecekondu(ゲジェコンドゥ)』とは、トルコ語でスラムにある粗末な住居のことだそうです。
個人的は上で書いたマッドプロフェッサーMIXの過去2作よりも、本作の方がヤバいと思います。
基本筋は変わらないのですが、Baba Zula内の現在進行形最先端センスが詰め込まれている「今の形」を味わう事が出来、有名人のDUB MIXに頼らなくても多くの人にアピール出来る内容だなぁというのがストレートな感想。
プチネタとしては、元エイジアン・ダブ・ファウンデーションのDr.ダスがゲスト参加しているという。
インドの弦楽器シタールを小さくしたようなサズ、ドラム、ダラブッカ(パーカッション)の3人編成。
サズの音・メロディーが強烈で、脳みそにこびりつく。
スロー、ミドルなテンポの曲も多いけど、女性コーラスやパーカッション、SEの挿入はエレクトロミュージックファンにも確実にアピールされるアレンジなのであります。
世界でLIVE重ね、自分達のセンスと技術も熟成され、DIYで作り上げた本作は現時点でのズルムケ集大成とも言うべきか。
脳みそがトロトロになります。
どのアルバムから聴くかは自由ではあります。
DUBというワードに惹かれるなら初期のマッド先生が絡んだ作品、最先端なら本作。
ちなみに、ダンサーのNourahさんは昔からBaba Zulaのファンだったらしいから、初期音源から入ったのでしょうね。
そういった意味で入門編として聴けるアーティストなのであります。

2007年にも来日したそうなんですが、そのころ私はBaba Zulaの事は知らなかったと思います。
マッドプロフェッサー効果も有り、過去のCDを聴いたのがキッカケでチェックしてたのですが、内容にそそられた事も有り、今回の来日は驚きつつも絶対に行こうと思っておりました。
今回はツアーという形で、数箇所で公演したようですが、私が行ったのは、2013年2月2日@青山・月見ル君思フの単独公演。
青山の「月見ル君思フ」へは何度か行った事が有りますが、あんなに人がギュウギュウに入ってたのは意外だったと感じるのですが、やはり好きな人はどっぷりとハマっている分野なんだなぁと実感。
早い時間はワークショップもやっていたそうですが、私は1発入魂でLIVEのみ参加。
開始時間はそこそこ押したものの、メンバー3人がステージ登場してすぐに演奏開始し、それはそれは摩訶不思議な味わった事のない空間に包み込まれます。

上でも述べた通り編成は3人。
サズにはワイヤレスマイクを仕込み、ドラム、パーカッション。
ドラムは布で覆われ、中身がどうなっているかは客席からは見えず。
中にはリズムマシーン等の機材も設置されているっぽかったです。
パーカッションは高音の鋭い音を出すダラブッカという小型の太鼓。
曲によっては大きい太鼓に持ち替えたりもします。
その編成や奏でられる音自体も新鮮なわけですが、たった3人であのグルーヴを生み出す事に驚きで、正直呆気に取られた感が強かったです。
聴きなれないサズの音が非常に強烈で、トルコ音楽を生で味わうヤバさを初体験・・・。
ドラムの方もたまにステージ前方まで出てきたり、パーカッションもステージうろうろしたりするのですが、サズ奏者は、コードレスなため、客席にガンガン下りてきて演奏し、かなり会場中が沸いておりました。
しかも、サズを演奏しながら客席から階段昇って、2階の客席まで行き、楽屋を通ってステージ袖から登場(ワイヤレスマイクが完璧に音を拾いながら)なんていう斬新な演出も世界中回ったから出来るエンターテイメントですね。
ジプシー系のバンドは客席に下りて演奏するってのは何度か味わった事がありまして、ステージの上で淡々と演奏されるより、てのを伸ばせば届く距離での演奏ってのは、その瞬間は2,3倍増しくらいでお客のテンションも上がるわけです。
即興演奏的な要素も強く、トランス音楽な魅力も感じましたし、衣装を毎回変えてところどころで登場するダンサーNourahさんも客の煽りが上手くて、サイケデリックとか何とかじゃなく、一つのエンターテイメントとして完成されておりました。
終盤では、客席から20人、いや30人くらいの日本人ベリーダンサーが上がって来て、24時間テレビのサライみたいになっておりました。
個人的な予想だと、客の2割くらいはベリーダンサーだったんじゃないかと・・・。

最後の最後では長ーい布を2階席とステージで繋ぎ、もはやカオス・・・。
外国人アーティストのLIVEは数え切れないほど見てきましたが、30代半ばになって、「うわぁ、こんなの初めてだわぁ」という予想外の感動まで頂きまして、個人的2013年初LIVEはかなり濃い〜ものになったのでした。
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※5曲目に収録 「Hopce」 Live @ Piraeus 24/11/2012
Babazula with Nourah tour in Denmark(日本語字幕付き&Nourahさんのコメント付動画)
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