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ノルデスチ・アトミコ Vol.1

『NORDESTE ATOMICO』(ノルデスチ・アトミコ Vol.1)

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では、淡々とレビュー。

ブラジル北東部の音楽はまだまだ未開拓な方も多いと思います。

上のジャケは2005年リリースのコンピレーション『NORDESTE ATOMICO VOL.1 』。

SambaやBossa Novaなんかとは全く違う音楽が鳴り響く地域、ノルデスチ地方の音楽を久保田麻琴氏が監修したコンピレーションシリーズで、第3弾まで出ております。

久保田麻琴氏は宮古島・八重山諸島の音楽、阿波踊りの「ZOMEKI」シリーズ、アジアの音楽なんかを集めてコンピを出していて、通な音楽ファンは注目せざるを得ないポジションです。

廃盤のようなので、気になる方は早めにゲットです。

※久保田麻琴のオフィシャルHPはこちら
※のオフィシャルHPで一部視聴可能


以下、収録内容。

01 シェガダ / アビサル・イ・オス・カボクロス・エンヴェネナドス
Chegada (Braulio Tavares)  / Abissal e os Caboclos Envenenados
02 ガイオラ・ジ・サウダージ / マシエル・サルー・イ・オ・テルノ・ドゥ・テヘイロ
   Gaiola de Saudade (Mr. Jan - Maciel Salu)  / Maciel Salu e o Terno do Terreiro
03 サンバ・シェゴゥ / ボンスセッソ・サンバ・クルービ
   O Samba Chegou (Roger man - Bernardo Vieira - Andre Edipo - Ze Guilherme)  / Bonsucesso Samba Clube
04 マジストラード・ラドラン / カブルエラ 
   Magistrado Ladrao (Ze Guilherme - Fabiano Soares) / Cabruera
05 ムクナ / ヘナータ・ホーザ
   Mucuna (Guilherme Medeiros) / Renata Rosa
06 フォホー・ジ・カマラオン / セウ・ルイス・パイション
   Forro do Camarao (P.D. - arr. Makoto Kubota) / Seu Luis Paixao
07 ヴェント・コレドー / チネー
   Vento Corredor (Tine & Cacapa) / Tine
08 アザ・ブランカ / ザベ・ダ・ロカ
   Asa Branca (Luiz Gonzaga - Humberto Texeira) / Zabe da Loca
09 フロレスタ・ドゥ・サンバ / シバ・アンド・ア・フロレスタ
   Fuloresta do Samba (Siba) / Siba and a Fuloresta
10 オリャ・オ・マテウス / オルケストラ・ポプラル・ド・レシフェ
   Olha O Mateus (Ademir Araujo) / Orquestra Popular do Recife
11 コンタイネル / モンボジョ
   Container (Felipe S.) / Mombojo
12 マラカトゥ・インディアーノ / マラカトゥ・ナソン・ペルナンブーコ
   Maracatu Indiano (Antu´lio Madureira) / Maracatu Nacao Pernambuco
13 パラリ / セウ・ルイス・パイション
   Parari (Biu Roque) / Seu Luis Paixao
14 アトミコ / マコト・クボタ
   Atomico (Makoto Kubota) / Makoto Kubota
15 エヴォルサオ・ディ・バテリア / マラカトゥ・ナソン・エストラ・ブリリャンチ
   Evolucao de Bateria (Mestre Walter) / Maracatu Nacao Estrela Brilhante do Recife


こうやって並べてみても、詳しくない人にはどっちが曲名でどっちがアーティスト名か分からない方も多いであろうマニアック度。

ちなみに、左が曲名で、右がアーティスト名です。

Bonsucesso Samba ClubeCabrueraMombojoSiba and a Fuloresta(Sibaは元Mestre Ambrosio)辺りはブラジル北東部レシーフェ発祥の激烈音楽カルチャーMangue Beat(マンギビート)のフォロワーアーティストとして有名ですね。

※Mangue Beat(マンギ・ビート)の詳しい説明はChico Science & Nacao Zumbiの記事にて

Mangue BeatのMangueって、マングローブのことだそうだと何かの本で読みました。

1990年代に入ったころに生まれたMangue Beat、実は東京の方が先にブレイクしていたそうです。

ブレイクと言っても一部の音楽マニアが「なんだこの音楽は!」となったレベルなんだろうけど・・・

だとしても、日本の音楽マニアの情報収集力ってのは世界でも相当なレベルなんだろうな。

本作は特にMangue Beatに特化したわけではなく、おもいっきりDEEPなご当地の伝統音楽も入って来ます。

故に、聞いた事もないアーティストがズラリ。

そんな中に、バイヨンの王様Luiz Gonzaga(ルイス・ゴンザーガ)のカヴァーなんかもさり気なく入り込んでます。

Luiz Gonzaga(1940年-1989年)は北東部のみならず、ブラジル広域で有名なお方で、彼の影響もあって、北東部以外のミュージシャンがノルデスチ音楽を取り入れたりすることもあって、ブラジルのコアな部分を知るならばノルデスチ音楽は避けて通れない音楽だったりもするわけです。

とは言っても、本アルバムに収録の各単独音源を入手するのも難しいはずです。

ブラジルというとポルトガルの植民地として知られていますが、北東部のペルナンブーコ州辺りだと、大昔はオランダが入っていた事もあるそうです。

さらにはアフリカから連れて来られた黒人や、原住民、他国からの移住者も多い中で発展。

州都Recife(ヘシーフェ)ではいろんな文化が混ざり合って、それが音楽にも影響されないわけがないというわけであります。

南米の音楽というとブラジル音楽が日本でもよく聴く機会がありますが、このコンピではその辺りとはちょっと違う濃い世界が広がっております。

ハベッカ(バイオリン)、カヴァキーニョ(弦楽器)、ザブンバ(大太鼓)、パンデイロ(タンバリン)、トライアングル、ラッパ、ビリンバウ、ピアニカなどの楽器を使い摩訶不思議な世界を作り上げる15曲。

これはもしかしたら、日本人にとって聴いた事のない「新しい音楽」となり得るのです。

掘れば掘るほどいろんな音楽が出てきて、ハマってしまう方も多いであろうブラジル北東部の音楽。

摘み食い的感覚でも構わないので、興味ある方はチェックです。

※ブラジル北東部の音楽をもっと深く知りたい方はこちらのページへ




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※1曲目に収録のChegada (Braulio Tavares)  / Abissal e os Caboclos Envenenados




※3曲目に収録のO Samba Chegou (Roger man - Bernardo Vieira - Andre Edipo - Ze Guilherme)  / Bonsucesso Samba Clube




※7曲目に収録のVento Corredor (Tine & Cacapa) / Tine




※11曲目に収録のContainer (Felipe S.) / Mombojo





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