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『Aziz Sahmaoui & University of Gnawa(グナワ大学)』
※amazonで詳細を見る
毎朝、moco'sキッチンを見て、毎朝ちょっとだけ不愉快になる魔のスパイラルから抜け出せない・・・。
あそこまで料理できたら、限界通り越してキモいだろ・・・。
塩・胡椒のかけ方とかイラっとすんねん・・・。
でも、毎日かかさず見て、たまに真似して作るという。
恐るべし、もこみち。
では淡々とレビュー。
2011年、「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2011」と単独公演で来日したGnawa Diffusion (グナワ・ディフュジオン) のAmazigh Kateb(アマジーグ・カテブ)のLIVEが素晴らしいLIVEだった事は記憶に新しいですが、Gnawa Diffusionと同様に日本でも大人気なのがOrchestre National de Barbes (オルケストル・ナショナル・ドゥ・バルベス)。
そのOrchestre National de BarbesのフロントマンであるAziz Sahmaoui (アジズ サハマウイ)がソロ作品を出しております。
2011年夏にリリースされたソロの第1作目が『Aziz Sahmaoui & University of Gnawa(グナワ大学)』。
『MUSIC MAGAZINE』の2011年ベストアルバムのワールドミューック部門でベスト10入りの専門家も認める極上の1品なのであります。
※全曲視聴はこちらから
※Aziz SahmaouiのMYSPACEはこちら
※Aziz SahmaouiのオフィシャルHPはこちら

Aziz Sahmaoui (アジズ サハマウイ)はモロッコのマラケシュで生まれ。
父親の影響でいろいろな音楽に興味を持ち、14歳でバンド活動も始めたそうだ。
特にシャービやグナワに強い関心を持ち、80年代後半にはパリへ移住して音楽活動を始め、90年代後半からはOrchestre National de Barbes (通称ONB)の中心メンバーとして活躍してきたというお方。
ONBも強烈なマグレブ系ダンスミュージックをやっておりますが、ソロになったアジズの作品はもっと凝縮された印象。
本作のプロデューサーはMARTIN MEISSONIER(マルタン・メソニエ)という人で、Fela KutiやKing Sunny Ade(キング・サニー・アデ)、Khaled(ハレド)、Papa Wemba(パパ・ウェンバ)なんかの作品をプロデュースしてきた「WORLD MUSICの仕掛け人」的存在の重要人物。
しばらくテレビの仕事をしてたみたいですが、最近は音楽活動に戻って来ているそうだ。
有名なところだと、Seun Kuti & Egypt 80の1stアルバム『Many Things』のプロデュースとか。
こういうのを知ってしまうと日本での知名度と反比例した需要作品に思えてきますね。
Aziz Sahmaoui & University of Gnawaというのは、バックバンドの名前が「University of Gnawa」。
エド山口&東京ベンチャーズみたいな感じね。
この辺は動画を見れば1発。
Gnawa(グナワ)という音楽も、まだまだ日本じゃ知られていない音楽で、モロッコがルーツとされつつもいろんなところで奏でられるトランシーな音楽。
グナワについては、沖縄の「島グナワ」ことトシさんのHPをご参照下さい。
私もグナワという音楽に関してはGnawa DiffusionやONB、モロッコ音楽のコンピレーションなどで軽く触れた程度なのですが、1枚ガチンコのグナワを奏でる楽団のCDを持っておりまして、さすがにそれはDEEPな内容で、電車で移動中にipodで聴く事は難しいような内容でありました。
伝統的なグナワをROCKなどの他の音楽と混ぜるようなアレンジをする事で、「うぉ!なんだこの音楽は?グナワ?なんやねんそれ!」となるわけです。
(この感じがリアルに体験できたのがアマジーグの2011年の来日公演なわけです)
そういう意味、アジズやアマジーグがヨーロッパでガツガツと活動するという意味は、グナワの魅力を世界中に広げるというのを目的とするならばとても大きい意味になるわけで、いわゆる最先端音楽とご当地の伝統音楽の橋渡しになっているわけですね。
アジズのソロ第一弾である本作も絶妙なバランスでグナワをより多くの音楽ファンに消化しやすい音楽として作り上げています。
グナワの伝統曲をアレンジしたものからアジズのオリジナル曲の両方を収録。
今回アジズは、ゲンブリ (グナワの代表的な楽器) ではなく、そのルーツと言われるマリの弦楽器ンゴニとマンドーラ (低音のマンドリン)を主に弾いているという事で、細かいところにもこだわりを感じます。
ゲストも凄腕のJAZZ系のミュージシャンやコラ奏者なんかも参加していて、アルバム自体は芸術作品と言っても間違いではないような気合いが伝わります。
アジズの声とコーラスは欧米のメインストリームな音楽では感じることの出来ない独特な空気、ループするカルカベやパーカッションのビート、これが有ると無いとではだいぶ変わるであろううねるベースライン、Tinariwen(ティナリウェン)等で味わえるギターフレーズなど。
「こんなのグナワじゃないよ!」って言う意見もきっと有るのだろうけど、アジズのやってのけた事は、少なくとも遠く離れた日本の音楽ファンにはとても大きいと思うのである。
アマジーグのソロ作でもそんなような印象を持ったわけだけど、グナワ入門編としては取っ付きやすいため、クオリティーはもちろん、いろんな意味で名盤的ポジションになりそうなアルバムなのである。
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※本作3曲目に収録「Ana Hayou」
※本作8曲目に収録の「Miskina」
※本作12曲目に収録の「Temtemaki」
※LIVE @THE NEW MORNING
↓↓ アジズのインタビュー&『Aziz Sahmaoui & University of Gnawa(グナワ大学)』メイキング映像。
※Aziz Sahmaoui & University of Gnawa - Part 1/4 .New album: Maktoube & AnaHayou
※Aziz Sahmaoui & University of Gnawa - Part 2/4 - Alf Hilat
※Aziz Sahmaoui & University of Gnawa - Part 3 of 4 - Black Market & Rofrane.mp4
※Aziz Sahmaoui & University of Gnawa - Part 4 of 4 - Kahina, Miskina & Tamtamaki.mp4
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