
『Radio Bemba Sound System』
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1980年代後半から90年代前半に世界を熱狂さえた伝説のバンドであるフランスのミクスチャーバンドNANO NEGRA。
そのMANO NEGRAでボーカルを担当していたが、現役REBEL MUSICのカリスマMANU CHAO (マヌ・チャオ)なのである。
1961年生まれ、本名はJose-Manuel Thomas Arthur Chao。
バスク人とガリシア人の血を引くパリ生まれのフランス人。
私がもっとも好きなアーティストの1人で、WORLD MUSICに興味を持つようになったのはこのMANU CHAOがキッカケと言っても過言ではありません。
このBLOGの原点的アーティストです。
※MANU CHAOのオフィシャルHPはこちら

←の写真がMANU CHAOその人。
そもそも、MANO NEGRA自体がかなりカッコイイバンドでTHE CLASH辺りに影響を受けたパンクなバンドですが、HIP HOPもLATINもSKAもREGGAEもJAZZも、世界中の興味深い音楽をごった煮するスーパーバンドであります。
そのMANO NEGRAも90年代半ばに空中分裂的に活動がストップ。
その後、MANU CHAOは周りの信頼置けるミュージシャンを集め、ソロ活動をスタートさせるのです。
その音楽に見事にハマってしまった私。
例えば、LINKIN PARKやらLIMP BIZKITやらの「RAP meets METAL系音楽」を”ミクスチャー”として括ってたりしますが、MANU CHAOが奏でるジャンルはREGGAEやPUNKを中心にしつつもかなり幅が広いジャンルを取り入れていて、アルバム1枚聴けば一気に音楽的な視野が広がり、今まで関心の無かった未体験の音楽に興味が出てくる事が結構有ります。
「PUNKしか聴かなかったのに、SALSAとかREGGAEが好きになった」とか「ルンバカタラーナやフラメンコに興味を持つようになった」とか「JAZZとかLATINが好きだったけど、ROCKっぽいノリも好きになった」とか、いろんな化学反応が世界の音楽ファンの中で起こっているのだろうと予想出来ます。
音楽の内容だけではなくフランス語、スペイン語、バスク語、ポルトガル語、アラビア語、英語、そしてウォーロフ語までを歌いこなす言葉のごった煮にもリスペクトです。
さらに、彼の発言や態度や行動は政治的で、社会問題や政治的なメッセージなどが歌詞に取り入れられており、反抗の精神がふんだんに盛り込まれており、そういう点でも世界中のファンの心をつかむのであります。
2010年に、野外FES「朝霧Jam」にMANU CHAO LA VENTURA名義で出演した際は、拳を天に突き上げ「米軍基地は日本から出ていけ!」と叫んでおりましたね。
REBEL MUSIC代表のBOB MARLEYもJOE STRUMMERもFELA KUTIも今はこの世に存在しませんが、MANU CHAOが居る、これは紛れもない事実。
遠い国に居るにせよ、同じ時間を生きているというリアリティーがあるのが、今は亡き音楽偉人達との違いなのだと感じます。
MANO NEGRA時代から既にそうだったわけですが、ヨーロッパはもちろん、南米でも大人気でスタジアム規模でツアーをやるレベルの人気なのに、日本ではまだまだ知名度は低いってのは、売れ線をメインに取り扱う大手レコード会社の影響も有ったりするのだろうけど、そこに頼って欲しくないファン心も有ったりするため、この記事をキッカケに少しでも広がってくれると非常にうれしいです。
一番上に貼り付けた黒人男性の写真にペインティングしたインパクト大なジャケットは2002年リリースの3枚目のソロ作で、ROCKファンからは一番取っつきやすいノリノリの内容である。
本作はLIVEアルバムで大人数のバックバンド付きの激烈ゴッタ煮PUNKアルバム『Radio Bemba Sound System』です。
これは、バンド名にもなっていたりします。
ちなみに、多くの方はRadioの事を「レイディオ」と発言しますが、音源を聞いた限り「ラジオ」と発言していますので、「ラジオベンバ」と発言するのが通です。
※全曲視聴はこちらから
ちなみに、2002年、MANU CHAOは「MANU CHAO Radio Bemba Sound System」名義でFUJI ROCKに出演してます。
1日目のWHITE STAGEに出演、前夜祭にも出たらしく日本の若い世代には知名度がほとんど無いのにも関わらず、観客の度肝を抜いたそうです。
残念ながら私はこの年は2日目だけの日帰り参戦。
見たかった・・・
そして、MANU CHAO Radio Bemba Sound Systemのワールドツアーで録音されたのがこのLIVEアルバムというわけです。
1st、2nd辺りのスタジオ録音盤ではパンクテイストは弱いのですが、この3枚目の『Radio Bemba Sound System』の内容は強烈です。
LIVE盤なんですが、ホーン有り、アコーディオン有り、パーカッション有り、ラガMC有りのめちゃノリノリのド根性PUNK ROCKです。
CD聴いて気に入った方は是非ともDVDも必見。
私ももちろんDVDはGETしまして、持ってる音楽DVDの中で見た回数はナンバーワンです。
何度も鳥肌立ちました。
単純にSKAとかPUNKとかノリノリなホーン入りPUNKが好きなら間違いなくHITだと思います。
MANO NEGRA時代の曲もやるし、REGGAEにSKAにLATINにルンバカタラーナ・フラメンコなども取り入れて。
パートはホーン2人、アコーディオン、エレキギター、スパニッシュギター、ドラム、ティンバレス、キーボード、ベースという大人数。
めちゃめちゃ人数が多い大所帯ってのも視覚的に迫力満点。
会場には老若男女、白人、黒人、いろんな人たちが絶叫してるのも印象的です。
曲と曲を途切れさせずに次々と演奏して行くというのもユニーク。
どんどんアゲていき、昇天させる強烈なアレンジはトランスパンクとでも表現しましょうか。
録音環境もかなり良いので聴きやすさは満点なLIVEアルバム。
そして、必見なのがこのLIVEアルバムの映像と、ワールドツアー時のドキュメンタリーを収録した『Babylonia en Guagua』というDVD。
私の中では「擦り切れるまで見た」とはこのDVDに存在する言葉です。
鳥肌ポイントがいくつも有り、MANU CHAOと一緒にステージに上がっているメンバーの個性や一流のパフォーマンスがムンムンに溢れ出ており、メンバーがそれぞれやっている音楽も聴きまくりまして、どれもヤバいので、そんな広げ方もオススメです。
そしてLIVE版とは全く異なるのが他のアルバム達。

『Clandestino』
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↑が1998年リリースのソロデビュー作『Clandestino』。
こちらも余計な部分をそぎ落としつつ、他のミュージシャンとかけ離れた独特のセンスを醸し出す名盤です。
このアルバムからハマってしまった方ももちろん多いと思われます。
私の友人も音楽に魅了され、歌詞の意味を知りたくなり、スペイン語の辞書を購入したそうです。
※全曲視聴はこちらから

『Proxima Estacion: Esperanza』
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↑のジャケは2001年リリースの2枚目『Proxima Estacion: Esperanza』。
※全曲視聴はこちらから
LATINな匂いがプンプンでメロディーも悲しい感じ。
彼の作る独特のメロディーラインには中毒性すら感じます。
音にもメロディーにも私はノックアウトされました。
1stと2ndはノリノリな曲はほとんどなく、とてもORGANICでROOTS MUSICを大切にしたWORLD MUSICの大名盤達。
これらの2枚のアルバムに入った曲はスローチューンばかりなのですが、LIVEではパンクなアレンジにしたりするんです。
それが3rdのLIVE盤『Radio Bemba Sound System』で聴けるわけなんですね。
順番が逆ですいません・・・

『Siberie + Book』
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そして↑が2004年リリースの4枚目の『Siberie M'etait Conteee』。
絵本とセットで、フランスのミュゼット・シャンソンとかお洒落なヨーロッパ風味。
値段が6000円くらいしたと思います。
MANU CHAO中毒の私は迷わず買ってしまいました。
※このアルバムに関しては別で投稿しておりますので、興味ある方はGO!!
そんな感じで、MANU CHAOは全作品が違う色ですが、それぞれが熱いのです。
「このアルバムはダメだ。」ってのが無いのも私の中では凄いこと。
そしてMANU CHAOは世界中のアーティストとコラボしていて、この辺のバンドもカッコよいアーティストがかなり多いのです。
例えば・・・
ブラジルのSKANK、アルゼンチンのTODOS TUS MUERTOS、スペイン・バスクのFERMIN MUGURUZAなどなど。
大きいレコード屋に行かないと売ってませんが、日本でも手に入れる事が出来るので、是非ともチェックしたところです。
さらにさらに。
MANU CHAOを始め、OJOS DE BRUJO、MACACO、SERGENT GARCIA、LA KINKY BEAT、AMPARANOIA、OZOMATLI、GOGOL BORDELLO、BANDA BASOTTI、ZEBDAなどの強烈なバンドがゴソっと名を連ねるRadiochango(残念ながら公開STOP)というサイトにも注目しないとなりません。
さらに、現在進行形のMANU CHAOの世界にどっぷり漬かりたい方は、最新情報をマメに更新していて非常に頭の下がる「マヌ・チャオの世界:El mundo de Manu Chao」を要チェックです。
■MANU CHAO関連アーティストの投稿
※MANU CHAOがプロデュースしたAMADOU&MARIAM
※MANU CHAOがプロデュースしたakli d.
※LOS CARAYOS(MANU CHAOがいたバンド)
【2010年追記】
◎MANU CHAOが2010年の秋「MANU CHAO LA VENTURA」という3人編成で来日しました。
・「MANU CHAO LA VENTURA@恵比寿リキドルーム」レポート
・「MANU CHAO LA VENTURA@朝霧JAM'10」レポート
【2011年追記】
FUJI ROCK'11に「MANU CHAO LA VENTURA」(ガンビート入り)で2年連続来日しました。
※FUJI ROCK'11レポート(1日目 その2)【MANU CHAOの巻】
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※『Radio Bemba Sound System』に収録されてる激烈LIVEのワンシーン
※FUJI ROCK'02での激烈LIVE映像
※『Proxima Estacion: Esperanza』の1曲目に収録されている「Merry Blues 」のPV
※『Proxima Estacion: Esperanza』の11曲目に収録されている「Mr Bobby」のPV
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